海外の市民運動家が人権無視の日本政府に抗議(2008年)

 洞爺湖G8サミットに反対する23人の韓国人が入国拒否されたことに抗議し、海外の市民団体の代表者たち7名(主催International Social Movements)が、7月6日、市民メディアセンター(北大クラーク会館)で記者会見を行った。出席したのはジュビリー・サウス、ビア・カンペシーナ、ATTACジャパンなど、農民および労働者、市民運動の活動家たちで、参加者は一同に日本政府の非民主主義的な対応を厳しく批判。過剰警備により5日のデモで逮捕者がでたことにも懸念を表明し、福田康夫首相宛の公開書簡を同日付けで送った。 

 反グローバリズムの理論家・活動家として著名なウォルデン・ベロー氏(フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス)は、今回に限りビザ発給を一度拒否され、入国時にも空港で1時間拘束されたことに触れ、「これまでのG8サミットなかで最悪の経験。ハイリゲンダム(ドイツ)でもグレンイーグルス(イギリス)でも、これほどひどい扱いは受けなかった。今回の体験は、2年前にシンガポールで入国を拒否されたときに似ている。あのとき入国できなかったのは、シンガポールが独裁政権であり、政治的な理由だったと思われる。それと同じことを、民主主義であるはずの日本政府がやっているのだ。こうした行為は日本の民主主義の汚点であり、日本政府は恥ずべきである。外国人への抑圧は、日本国民にとっても悪い予兆となるだろう。次の被害者は、日本人自身であるかもしれない」と怒りをあらわにした。 

 バスク労働組合(スペイン)のジョス・エグルアンさんは、「市民の権利、民主主義を侵す行為」と日本政府を批判。「日本の規制緩和は金融や貿易だけで、外国人の移動を厳しく締めつけている。政策決定には市民が関与すべきで、われわれの声を伝えるために、G8サミットが開催される日本に来たのだ。日本政府によって人権を踏みにじられている日本人と連帯するために、私はいまここにいる」と訴えた。 

 韓国のナム・ソンミン(全国農民総連盟)は、「WTOや新自由主義により、韓国の農民や労働者の生活は苦しい。世界中の農民たちがこうした状況にあり、オルタナティブな社会を作るために、ここ札幌に集って討論したいと思っていた。日本政府はなぜ韓国人を集中的に入国拒否するのか、その理由がまったくわからない」と厳しい表情で述べた。 

 これらの団体を含む国内外の運動組織30ほどがすでに公開書簡に署名しており、記者会見の後も賛同を募り、同日中に福田首相宛に送付した。

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左から、ジョス・エグルアンさん、ナム・ソンミンさん、真嶋良孝さん(農民運動全国連合会)、ウォルデン・ベローさん、ミロ・タンチュリアンさん(ジュビリーサウス)

『日刊ベリタ』 2008年07月07日17時08分掲載